2012年5月20日日曜日

チャンピオンズリーグ決勝

チャンピオンズリーグ決勝。
今年は決勝がミュンヘンで行われることになっていて、
おまけにバイエルンが決勝まで残ったものだから
それはドイツでは盛り上がっていたわけ。
さらに加えて言えば、
バイエルンはもうほとんどドイツ代表みたいなもので、
スペインに対する苦手意識も共有されているわけだが、
バルセロナではなくチェルシーが決勝の相手ということで、
心中密かに優勝は貰ったと思っていたに違いない。
 
ミュンヘンの様子は前日からニュースでも流れ、
前日からこの人たちは何をしているのだろうというほどだった。
当日はもっと凄かったようで、
外の特設会場では6万5千人が集まったって言っていた。
ちなみにミュンヘンのスタジアムは
満員だったらそれと同じくらいの人は入るわけで、
これこそ本当に異様な盛り上がりだった。
 
バイエルンは再三言っているようにどちらかと言うと嫌いなクラブだ。
でも今回は僕はバイエルンが優勝するのだろうと予想していた。
(ベルリンとは全く違って)バイエルンはブンデスリーガ中、
最もホームで相手にしたくないチームだと思う。そこは認める。
おまけにチェルシーはこの日引いてきた。
バイエルンの弱点はとにかくディフェンス面、
それを隠すための充実した攻撃陣が相手チームを引かせられれば、
ゲームはバイエルンの筋書き通りなのだ。
センターバックのバトシュトゥバーが出場停止とかあったのに、
僕は最近のチェルシーのサッカーを知らないが、
脱モウリーニョなら、と思いきや、一転その頃よりも守備的だった。
だから83分まではバイエルンの計算通りだった。
ここまではチーム全体の出来としてもバイエルンが勝ちにふさわしかった。
 
流れが一転したのはそこから4分後、
87分にミュラーに代えてファン・ブイテンが投入されたとき。
終了前3分、確かに分からなくもない時間帯だが、
バイエルンのベンチは守備の意思表示をした、ということ。
そしてその実に1分後にドログバがゴールを決める。
バイエルンの指揮官ハインケスは、
はっきり言ってここが今シーズンのバイエルン最大の失敗なのだが、
この日も最後の最後でやらかした。
バイエルンはいい加減高い金払って選手はもういいから
監督を連れて来るべきだろうと思った。
 
ここ一番で決めたドログバの勝負強さというより、
その前までのポストプレーの強さが大いに賞賛に値すると思う。
前半は消えていたけれど、
後半尻上がりに力強さとタフさを発揮して、
バイエルンのディフェンダー陣の手を焼かせた。
ロングボールを相手を背負いながら止めてキープとか、
そもそも全然倒されないとか、
このタイプはブンデスリーガには存在しない。
バイエルンのセンターバックにはほとんど初の経験だったろう。
壁を相手にしているような感じだったのではと、
それくらいドログバはごつく、センターフォワードの鏡だった。
 
ドログバのヘディングは去年までのノイアーなら止められたかな。
今年のノイアーはダメだわ。
ユーロの時改めて書くかもしれないけれど、
今シーズンになってノイアーはドイツレベル内で
平凡なキーパーになってしまった。
去年までが神懸かっていたのかもしれないが、
ミスは多いし相手のシュートレンジからゴール枠に至るまで
対応出来る範囲が前よりぐっと狭まった。
集中できてないんじゃないかとも思う。
PKをはずしたロッベン、シュバインシュタイガー、
これら合わせてメンタル面に問題ありかと。
 
この日(に限らないけど)抜群の安定を見せた
チェルシーのキーパー、チェフ、
そこからゴールを奪ったミュラー。
そこから土壇場で同点ゴールを奪ったドログバ、
相手にPK与えたドログバ、
最後にPK決めたドログバ、
最後は全部ドログバが持っていった。
ヒーロー→戦犯→ヒーロー。
これが千両役者か。
 
幸いドログバはユーロには居ないが、
今回の試合はドイツ代表にも響きそうだなあ、
といささかの懸念。

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