これについてはまずドイツの銀行の振込みのシステムから。
振込み、と一口に言っても、
普通に生活している分に必要となる振込みの種類は多分3、4種ある。
まずいわゆる自動引き落とし。
これは多くの場合、何らかの企業への毎月の支払いに用いられる。
例えば自分の場合はプロバイダーへの月額支払い、
放送協会への支払いなどをこれでやっていた。
これの形式としてはEinzugsermächtigungを相手に与える(ことに同意する)。
Einzugとは徴収、この場合引き落としの意で、
Ermächtigungとはその権限のこと。
合わせると、口座から引き落としを行う権利を向こうに認めること。
これに関する利点と欠点は表裏一体で、
例えば向こうが来月から金額が変わると言えば、
自動的にその額に向こうの方で調整してもらえる。
こっちでわざわざ銀行に出向いて変更する手間が省ける。
その代わり、と言っては何だけど、向こうが勝手に金額を決められる以上、
とんでもない額が請求される…ことはないけれど。理論上あり得る。
まあそんなことをする人は居ないだろうが、
だから変な会社にこの権限を与えてはいけない。あたりまえだけど。
一応不正な取引は銀行に行けば取り消してもらえる。
が、これもうちの銀行では今度から手数料がかかるようになってしまった。
他もそうか、いずれそうなるかだろう。
そして1度渡した権限は銀行が取り消すものではなく、
当事者間の問題となるので、
こっちが取り消しを向こうに通告しても向こうが中々聞き入れないとか、
聞き入れるまで時間をかけるとか、こういうことはある。
自分の場合、保険がそうだった。
この時の経験から自分はなるべくこの権限を相手に与えない方がいい派である。
ちなみにその企業のサービスを解約すれば
この権限譲渡も自然消滅するのが普通。
二番目はÜberweisung、これは口座振込み。
これは自分で振込用紙に記入して機械で読み取ってもらう。
ドイツでは現金振込みはごくまれ。
この口座振込みも自分の口座から相手の口座に振り込むものであって、
自分の口座が存在することが前提である。
そうでないと間違った場合や返金に際して
どこに送金すればよいか分からなくなるからか。
学生だと学籍登録のための諸費やゼメスターチケットの支払いは普通この方法。
自分の場合は電気料金の支払いをこれで行っていた。
というのも自分が使っている分は絶対に
前払いしている分より少ない自信があったから。
そして上に書いた保険屋との問題以降、保険料もこの方法に切り替えた。
振込みの金額をこっちでコントロールできる強みがある一方で、
毎月振り込み用紙に記入しなければならないという面倒もある。
そして3つ目、今日自分が銀行で解約してきたのはDauerüberweisung
(Dauerbezugとかいう呼び方もあったような気がするが不確か)。
これは二番目のやつを自動反復させたものだと考えてもらえばよい。
これは自分が銀行に申し込むもので、
金額、期間(月一なのか二ヶ月、半年、等々1度なのか…)、
その期間の何時(毎月なら月初めか月の終わりか等々)などを
向こうに伝えて、言うなれば代わりにやってもらう。
自分の場合は家賃がこれに該当していた。
大家さんは個人でやっているので一番目のような大仰なことはできず
(あるいはする気がなく)、こっちでやらねばならなかったため。
電気代なんかこれにすれば楽だろう、と思われるかもしれないが、
うちの電気会社は年12ヶ月ではなく11ヶ月料金を払うシステム。
ひと月穴があるのでちょっと面倒。
おまけに11ヶ月の内もうひと月は前年度との差額精算もある。
そんなわけで7年間毎月振込用紙を書いたわけだ。
ともあれ、もうこれまでで1番目の形態のやつは
各々の企業との契約解除で同時に解約されていて、
今日3番目のも銀行に行って止めてきた。
こうして口座から自動で引き落としされるものはなくなったのだった。
口座を閉じてしまえば解約になりそうなものだけど一応。
そして口座はギリギリまで開いておいた方が上述の理由より得策でもあるので。
ちなみに、4種目、Landschriftってのがあって、
これは(おそらく一回)相手が自分の口座から
引き落とすのを認めるとでもいったもの。
最近だと航空券がこの方式でないと買えなかった。
自分からの振込みでなく、向こうの引き落としを待つ形。
日本のクレジットカードが無くなった自分は、
Amazon.deの買い物はこの方式になっているのかな。
ネットでの買い物は大体この方式。
前泊するホテル(予定)も現金支払いではなく、
こっちになるだろうから、そのためもあって未だ口座保有。
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