原稿は細かい所まで含めると
試験前日か前々日まで手直しを加えていたが、
大まかな形としては日程が公式に確定した時期
くらいまでには完成していた。
だから3週間前くらいってことになるだろうか。
そこからは印刷→チェック→読み上げ→手直し、
これを1日1サイクル。
朝に原稿を印刷、午前中にチェック、
午後から夕方にかけてそれをパソコンに
ヘッドセットつなげて録音→録音したのを聞く、
を何セットか行い、音読の練習。
そこで見つけた誤字脱字やカット出来そうな部分のカット。
そんな感じで。
他は取り立てて書く事もないけれど、
今回特別だったのは三番目の工程、やはり。
自分で読み上げたものを自分で聞くことの意味は
もちろん原稿のチェック、そしてそれ以上に
自分のドイツ語の発音のチェック、
読み上げにかかる時間のチェック、と様々。
原稿のチェック自体は黙読でも可能な事を考えると、
やはり最後の2つの要素がより大きな意義を持っていた。
まず発音。
そもそも何でヘッドセット(ヘッドホン+マイク)を
持っているかと言うと、ドイツ語学習ソフトで使うため。
音声入力すると比較して採点してくれたりするやつ。
4月はそれもちょっとやったけれど、
やがて時間は原稿の方にばかり取られる様になってしまった。
それはともかく、そういう学習ソフトの時は
お手本となる発音を最初に向こうがしてくれるからなのか、
自分のした発音が比較のために再生されても
それなりに「聞ける」ものだった。
日本語訛りは全然抜けていないけれど。
それとこの原稿読み上げとの違いはお手本となる
発音やイントネーションが存在しないということ。
一番最初に録音した自分の声を聞いた時、
全然何言っているか分からなかった(笑。
日本語訛りですらなかった。
日本人とドイツ語で話していても、ん?って
反応されることが多々あるわけだが、理由が分かった。
どう表現していいか分からないけれど、
ドイツ語訛りの日本語訛りのドイツ語、あるいは、
日本語訛りのドイツ語訛りのドイツ語なのか、
要するに一段階複雑化して文字通り「独語」になっていた。
おいおいおい、と思ったが、
回数を重ねる毎にきちんと日本語訛りの
ドイツ語っぽくなっていった。
いや、ドイツ語っぽくもなっていたかも。
自分では分からないけれど。
過去何回か、書き字をそのまま読んだ、
一文がやたら長かったり関係代名詞等で複雑な
構造になっていたりする講演を聞いていて、
こういうのは止めようと思っていた。
一文は出来るだけ短くして、切って、
関係代名詞・関係副詞は真ん中に挿入せず、
最初か最後の分かりやすい位置にのみ使うようにして、
とやっていったら、読む方もそれなりに改善された。
それでも本番は緊張して指は震えていたから
声も震えていたのではと思うし、
口が渇いて喋り辛いことこの上なかったけれど、
練習しておいて本当に良かった。
原稿も軽く10度くらいバージョンアップしておく、
それくらいやっておいて正解だったと思う。
そして時間。
最初は3000語あったわけで、見事に25分以上かかった。
自分で書いた文章だとは言え、
声に出して読んでみると結構つっかえるものだし、
そんなに早くも読んではいなかった。
まずはスラスラと、かつ出来る限り早いスピードで
原稿を読めるようになることが目標だった。
でもそう時間はかからず、多分3回目かそこらで
よしもう一度聞いてみようと思える吹き込みを行えたと思った。
聞いてみた。
確かにつっかえは減っていたが、
つっかえた所で舌打ちする癖があることが判明した。
これは直しておこうと思った。
まあそれは二次的な話。
録音を聞いてみて思ったのは、
早口で喋った積もりで実際には全然早くなかったということ。
割と普段聞く普通のスピードで、
日常の砕けたドイツ語は砕けた分もっと早い。
つまり自分のはかなり遅いのだ。
その後原稿の手直しが進み、原稿そのものにも慣れ、
音読のスピードも多少上がりはしたが、
劇的にスピードアップが図れたという気はしていない。
どちらかと言うと1つのパラグラフをバッサリ削ったり、
そもそもの原稿の分量を少なくすることによって
時間短縮になっていったように思う。
そんなこんなを毎日繰り返して
最終的には自分がそこそこ早口で読んで
安定して20分弱になる長さにした。
本番ではつっかえたりして
20分をオーバーするだろうとは容易に推測できたが、
それはもう仕方がないことと考えることにした。
審査委員5人の内4人とは面識があって、
いずれも20分過ぎたから規定違反失格とか
せこい事を言い出すような人では決してない。
内容もよく分からないものになってしまうよりは
長くなっても内容が伝わればそっちの方がいいかな、と。
こうして次回はその他の(必然ではない、
どちらかというと個人的な)準備の話。
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