2011年12月30日金曜日

クリスマス番外編: リサイクル場へ省エネランプを届ける

自分個人の今年のクリスマスは
それは様々な物語が同時に進行していた。
その内の1つ。
25日に前に書いたように家を出ようとした時のこと。
ふとコートの裾か何かが引っかかって、
ひょっと小高いところに置いてあった省エネランプが落下、
粉々に砕け散ってしまった。
これも確か前に書いたことだが、
この省エネランプの中には水銀が含まれている。
どんな形態で含有しているかは分からないが
それでも空気中に置いたら
どんどん蒸発していくに違いないと思ったので、
ひとまずは窓を開け、換気。
これは正しい判断だったと後で知る。
自分は割れた破片集めもしつつだったが、
どうもまず15分くらい部屋をひたすら換気してから
破片集めをするのがもっとも正しい方法らしい。
 
破片集めは手にゴム手袋をはめて行った。
これも結果的には正しい判断だった。
自分はただ単に出かける前で手を洗うのが面倒だから、
という理由で(大体そもそもゴム手袋の意味って
そういうものなんじゃないかと思うけれど)使っただけだが、
手や衣類に飛び散った水銀が付かない様にすることは
重要なのだそうだ。
 
あらかた破片集めが終わったところで、
掃除機を使って細かい破片を一気に吸い込むことにした。
これは誤った判断だったらしい。
掃除機を使うと水銀が拡散してしまいかねないので
テープ等を使って地道に少しずつくっつけて取っていくのが
正解なのだそうだ。
掃除機の中に隔離する作戦だったのだが裏目に出た。
 
さすがにクリスマス期間中だったので
リサイクリングホーフことリサイクル場は開いていないだろうと
全てのゴミは袋に入れひとまとめにし、部屋の片隅に。
休みが終わったらすぐに届けよう、
と何故か27日はパスし28日の朝、そこへ向かう。
 
自宅から近くにあるリサイクル場は2つ。
1つは以前に冷蔵庫を出しに行ったゲズントブルネンの方。
ここはしかし駅からだいぶ歩かなければならない。
今回はもう1つの方、ミーレンドルフプラッツにある
リサイクル場へ行くことにした。
ここは朝の7時から開いている。
現在一年で一番暗い時期を迎えたベルリンは
8時くらいになってようやく朝が到来する。
自分は7時過ぎに家を出たので
それはもちろんまだ真っ暗な頃のこと。
でも昨日はそこまで寒くなかったことは幸いだった。
自宅からミーレンドルフプラッツまでは5駅、
しかし2度も乗り換えないといけない。
朝早く&休み明け(厳密にはなお休み中だが)
だったというのに電車の運行は滞りなく、
乗換えは非常にスムーズに済んだので、
目的の駅までは普通にたどり着けたのだが、
いかんせん初めての街に真っ暗な中たどり着き、
しかも地下鉄から、おまけに出口までの階段が回るし、
出たところも微妙に分かりづらいという構造の駅、
最初は逆方向に向かって歩を進めてしまった。
ほんの少し行けば目印にしていた通りに出るはずなので
ほんの少し行ったところでやはり逆かと踵を返す。
こうして少々歩くこと目的地へ到着。
 
今回割れた電球、それを処理するときに出たゴミ、
それに加えてここ数年溜め込んだ各種電球を
1つの袋に入れて口を縛って持って行った、
その様子はさながらサンタであり、
皮肉にも文字通りクリスマス「ギフト」だった。
(注: 「ギフト」はドイツ語で「毒」の意)
 
敷地内に入っていくと、事務所みたいなところの前で
三人のおじさんたちがコーヒーを飲みつつ談笑していた。
こんなに朝早い時間に自分みたいなのが突如現れ、
一瞬警戒されたが、すぐに手の袋から事情を察してくれた。
割れてしまった省エネランプその他を持って来た旨を
伝えているうちに袋の中を覗き込む、
‥自分が思っているより危険性はないものなのか。
後はこっちでやっておくから、と袋ごと引き受けてくれた。
ああ、だったらもっときちんと電球の種類ごとに
分けて袋に入れてくるんだったかとか思ったりした。
こうして朝の8時。
夜明けと共に訪れた青空を見上げながら帰宅の途に着いた。
 
省エネランプはランプは省エネだが
使用する人間には消エネだった。

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