2011年12月11日日曜日

今週のベルリンやらドイツやら

今週のドイツを一言でまとめると「風」。
突風が吹いた吹いた。久しぶりに。
ドイツで突風が吹くのは大体夏、
夕立とかと一緒に、というパターン。
今の季節にこんなに風が吹く印象はなかった。
窓の外でビニールであるとか枯葉であるとかが
ガサガサないしはカサカサいっていると
それが自分のベランダなのか通りなのか、
あまり放置しておくと階下から苦情が来そうなので
確認することが重要だ。
そしてまた、音を立てていなくても、
風が強いとベランダに枯葉が溜まるので
掃除もしておかないといけない。
また排水溝が詰まって階下に水が行ったとか、
そういう事態になるのを避けるべく。
ゴミは入ってきても出ては行かない。
流体力学だ。
 
 
大荒れ模様と言えば、そうユーロ経済(笑。
ちょっと前にイタリアのベルルスコーニがとんずらしたかと思えば、
今度はイギリスがEU条約改正に反対票。
前にスロヴァキアによる欧州安定基金拡充案否決の時に
書いた(と思う)ことだが、EUでは全会一致でないと議案は採択されない。
一カ国でも反対があると議案は否決されてしまうのだ。
今回その唯一の国がイギリスだったと。
 
改正案は財政規律をより厳格にするというもの。
これ自体はイギリスにも歓迎される・されたところだろう。
ユーロ圏の経済の安定が目標なのであるから。
 
もちろん規律がより厳格になったところで経済が安定するわけではないが、
ドイツ、フランス、イタリア、イギリス、etc.、皆首相が保守派なので
これで十分な根拠になる。
 
ともあれ、だがそれよりもイギリス・キャメロン首相が何を睨んで
反対票を投じたのかというと、メルケルが主導で導入しようとした
金融取引税の案件なのだという。
 
これは金融取引全般に税をかけるというもので、
これを導入すると、一方では額の低い取引、取引の数が減り、
すなわち信用の低いor短期しか信用できない取引が減る、
他方では税収も見込める。
前者は直接市場の安定につながり、
後者は危機への準備になる、という仕組みなようだ。
 
だが話はそう上手くはいかない。
金融業が経済の主要な部分を担っている国は
全ての取引に税金がかけられてはたまらない。
あるいは税金がかかる地域とかからない地域が出来てしまうと、
金融業者は当然税金がかからない地域へと移動してしまうだろう。
どうもこんなところがイギリスが守ろうとした「国益」だったらしい。
 
いくつかの思いを込めて「らしい」と言った。
まず、そう人は言うけれどそんな複雑な話かなあ、という思い。
ギリシャ支援とか、この一連のユーロ危機の話では
ずっとドイツとフランス(有体に言ってしまえばドイツ)が事を主導してきていて、
はっきり言ってイギリスとかメディアに出てこなかった名前だったわけ。
サルコジなんかドイツのニュースにここの所毎日顔を出しているのに対して。
それもそのはず、大体イギリスはユーロ圏じゃないわけで。
うーむ、テキストの色を変えて言いたくなるくらいだ。
ユーロ圏ではないがEUには入っていて、
よく分からんところで一人反対、
何かこういうやつクラスに一人くらいいたような、
とどうもそのレベルにしか思えない。
自分の権威の消極的な誇示の仕方というか。
 
というのも、「らしい」に込めた二つ目の思い、
守れてないだろ、何事も。
早速ドイツやフランスがそう動き出しているように、
上の議案はユーロ圏で再決議され可決する見通し。
するとイギリスは孤立してしまうことになる。
ユーロ圏は圏内と圏外で異なる税制を取るのが慣例。
もちろん圏外との取引の方が高い税金がかかる。
今ユーロ圏とイギリスの取引における税制がどうなっているのか、
自分は知らないけれど、今後は明らかに不利な立場に置かれるだろう。
ルクセンブルクかどこかの政治家も言っていたが、
実はイギリスの経済事情なんてユーロ圏よりよほど悪い。
一体何を考えていたんだと考えると、
やはり一番目に戻って、何も考えていなかったのでは、と。
 

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