2010年7月6日火曜日

私的ドイツ代表の楽しみ方 part7: スペイン戦の展望

マラドーナがインタビューで言っていた。
ドイツとの試合で何が足りなかったのか、
という質問の答えに「創造性」だったそうだ。
だとしたら足りなかったのはやはり監督の脳ミ‥。
いや、さておき。
 
スペインもまた、今大会のここまでを
選手の創造性によって勝ち進んできている。
それがスペインが苦労している理由、
点が取れない理由である。
2年前、史上最強と言われていた頃は、
そんな個人の創造性に頼るようなチームではなかったし、
このチームを象徴する2人の選手、シャビ&イニエスタも
彼らの創造性(例えば一瞬のひらめき、ゴールに直結するような
シュートやパス、一人で試合を決めることのできるプレー等々)
によって評価されているのではない。
この2人において素晴らしいのは、
何よりシステム内での働き(例えばパスミスをしない、
トラップミスをしない、ボールを失わない、
最善手を見つけ出せる、無駄にもたつかない等々)であって、
スーパープレイという意味での個人の力の天才ではなく、
円滑な組織力を生む起点となるという意味での天才である。
 
2年前と何が変わってしまったのかは自分には分からない。
だが明からなのは、チームの組織は大して機能している
わけではないということで、その当時最も強みを持っていた
部分が今は鳴りをひそめてしまっている。
 
従って、2年前は手も足も出せなかった、
というか出さない戦いをせざるを得なかったドイツに
チャンスはあるようになったわけである。
 
ドイツの内情から言えば、
これまで活躍してきたミュラーがイエロー累積で出場停止になる。
代わりはカカウだろうか、クロースかもしれない。
ポドルスキーは1回のアシスト以外はやはりアレだったし、
エジルもまだ本調子ではない。
そうでなくとも個の力はスペインが上だろう。
 
お互いに組織的なチーム作りをしているが、
逆に組織的なチーム作りをしているチームを
相手にした時はどうだったか。
予選リーグの段階で、ドイツがセルビアに負けたように、
スペインも同じく欧州中堅のスイスに負けている。
スコアも0-1で同じ。
 
そんなことを考えてみると、
スペインが今大会のこれまでのような試合を
結局のところしてくれれば、ドイツが3-1くらいで勝ちそうである。
逆にスペインがドイツを相手にすることによって
2年前の自分たちのプレーを思い出してしまったら、
4-1くらいでスペインが勝つのではないか、と思う。
 
前にも書いた様に、
今大会のドイツに守り勝ちは出来ない以上、
どういうサッカーをしてくるか予想のつく分、
対処としてはスペインの方が有利であろうし、
打ち合いの展開になってもスペインに分があると言える。
ドイツとしては、アルゼンチン戦同様、
序盤から積極的にいって
流れを自分たちの方に引き寄せたいところだろう。
2点目を先に取った方が勝つ、と見る。

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