2010年7月31日土曜日

そうか世間的には‥

‥夏休みなのだな。
いや、自分も夏休みだけど。
14日に学期の日程は終了したので、
形式上はそれ以来夏休みに入っていた。
が、そこから文献集めをさらに本格化させたので、
あまり実感がない。
先週および今週は月から金まで
朝一で図書館に行っては何冊か本をコピーし、
帰ってきてはそれをプリントアウトし‥という生活。
 
↑相棒を紹介しよう。
これは今学期が始まる前か先学期中だったかに買った
クリアファイル。全く大したものに見えないかもしれないし、
自分も買ったときはそう思っていたのだが、
これがもう便利すぎる。
ルーズリーフをこの中に入れておけば
そのまま講義に出れるし、
図書館に行けば行ったらで、
もしそこでコピー(プリントアウト)したら
これに入れて持ち帰ってこれる。
プリント類を汚すこともないし
(鞄の中にペットボトルとかと一緒に入れられる)、
そのまま電車の中で読んだりもできる。
たった0.6ユーロだったが、
今学期を通し常に身の回りに置き、
肌身離さず持ち歩いていた、といった代物になった。
 
さて、そういうものがないと、
図書館に入る際に持ち物を↑のような規定の籠か、
持参のバッグであっても中身が見通せる透明の袋に
入れないといけない。
そうでないと入り口で荷物の詰め替えを命じられる。
仮に上のような籠に入れたとしても、
場合によっては警備員に呼び止められて
中身を見せないといけない。
これは全くもって面倒だろうと見ていても思う。
 
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夏休みに入ってすぐ、先週はまだそれなりに人もいたが、
今週はめっきりいなくなった。
自分もどこか行くか、と思って、
木曜にまだ行っていなかったところに行ってきた。
その写真は後日上げるとして、
珍しく長く外にいたためか、
見事に日焼けしてしまった。
相当歩いたので筋肉痛にもなったが、
筋肉痛がその日に来るとか後日来るとか、
それで若いだ何だ言っているのは筋肉がある人々である。
筋肉がないとダイレクトにくるので、
帰りの電車の中で既に筋肉痛であり、
翌日には回復である。
ということで昨日(金曜)はまた図書館通いに
復帰したのだった。

2010年7月27日火曜日

週末から週明けまで

金曜だったか土曜‥木曜だったかも、
とにかくその辺に丸一日曇っていた日があって、
それでベルリンの気温は一気に10度くらい下がった。
今はかなり快適な環境。
 
土曜に大学から来学期用の学生証が届いた。
これでビザ更新に必要な書類は揃った。
 
日曜に家の入り口の所に張り紙があって、
月曜の8時から15時まで、
7時間に渡って水道が止まると書かれていた。
これはもうビザ更新に行くしかない。
前にも書いたかもしれないが、
ビザの更新には本当に時間がかかる。
今回ばかりはうってつけというわけ。
 
月曜。
前回は朝5時から並ばねばならないほど、
ベルリンの外国人局は賑わいを見せていたものだが、
さすがに7月の段階でそれはないだろう、と。
でもまた手順が変わっていたりしたら一々面倒なので、
様子見も兼ねて(一時撤退も視野に入れつつ)、
7時の入り口が開く時間に合わせてゆっくり行くことにした。
自分は5時半くらいにシャワーを浴びたが、
6時くらいに再び洗面所に行った時、
隣の人のシャワー音を聞いた。
そう、水が止まる前に全て済ませねばならんのだよ。
 
ともあれ、外国人局へ。
着いたのは6時45分。かなりピッタリのタイミング。
人が‥全然いない。
並んでいたのは20人かそこら。
多めに80パーセントを学生だと見込んでも少ない。
7時に入り口が開き、中へ入ったが、
一階は工事か何かしていて、
やはり手順というか場所が多少変わっていた。
システムは前と変わらず、名字の頭アルファベットで
行く場所(整理券を貰う場所)が分かれるのだが、
自分の名字が該当するグループは極端に人が少ない
のは前回で実証済み。今回もその通りで、
整理券を2番目にゲット。
順番もすぐに来た。
ビザもすぐ発行してもらえた。
7時半を待つまでもなく、終了。
‥速過ぎる。
家には8時前に着いてしまった。
まだ水が止まる前だった。
 
しょうがないので、7時間の時間つぶしは図書館へ。
前半は読む方、後半はコピーの方で、と、
コピー機は技術的問題の発生とかなんとかで、
全システムがダウンしていた。
時間がある分、いつもより多くの本を抱えていたのだが、
全て再び元の棚に戻しに行かねばならなくなった。
コピー機の復旧の目途は立っていないとのことなので、
今週は読む方に専念か。
自由大の図書館にしか置いていない本のコピーへと
出かけてもいいけど、体力の回復次第。
いやー昨日は結局疲れた。

2010年7月23日金曜日

おまけ

やはり同じくU6のフリードリッヒシュトラーセ駅、
それもホームの真ん中に新たに置かれた機械。
ここ乗降者数に対するホームの狭さが
異常な所だと思うのだけど‥。
 
ちょっと説明を覗くと、
メールしたりネット接続したり、
何やら色々出来るらしい。無料で。
が、使っている人を見たことがない。
まあ、電車が5分間隔とかで来るところだし、
何よりもドイツだと、
そんなことやっているとスリのいいカモになりかねない、
ということなんだろう。

最近のU6 フリードリッヒシュトラーセ駅

春先から何やらごそごそやっていて、
新しい広告用の板でも張っているのかと思ったら、
ディスプレイだった。
‥が、流れてくる映像はインテルのCMのみ。
これってもしかしてインテルの期間限定の広告なのだろうか。
それともある程度の後には別の映像も流れたりするのだろうか。
例えば同じフリードリッヒシュトラーセでも、
Sバーンの地下のプラットホームの方では、
結構前からこういうディスプレイ広告になっていて、
広告以外にも天気予報だとか、
そういうちょっとした情報も出ていたような記憶が。
 

登ったところにも。
写真だと分かりづらいかもしれないが、
これも上のも映像。
下のは新しいプロセッサーの見本展示か何か?かな。
 
階段にまで。
 
というわけで、インテルに占拠されたフリードリッヒシュトラーセ。
インテル入り過ぎです。

2010年7月20日火曜日

ダナ・ビフテキ

近所にあるトルコ料理屋で買った
こんな↓感じの包み。
まあ、包んでもらったのだけど。
 
開くとこんな感じ↓。
サブウェイって日本にもあるのだろうか。
あそこが売り出しているサンドイッチみたいな感じ。
このようにパンの中にケバプの時同様の野菜各種、
および今回は牛肉が入って3.5ユーロ。
包みを開かず端からアルミをめくれば、
デュルム・ドェーナー(筒型ケバプ)のようにも食べられる。
 
そこのトルコ料理屋は珍しく24時間開店しているタイプ。
駅にも近く、普段は結構混んでいるが、
朝ならガラ空き。
肉も既に調理済みのを冷凍してあるのではなく、
生肉からその場で鉄板で焼いてくれる。
なので普通のケバプを買うのよりも多少時間はかかり、
やはり多少会話の間がもたない、
とかなんとかしている内に出来上がり。
 
トルコ語がからっきしなので
タイトルのカタカナが合っているかも疑わしい。
初めて食べてみたけれど、普通に美味しかったかな。

2010年7月19日月曜日

暑さもやっと一段落?

連日35度くらいまでいっていた気温も
ようやく落ち着きを見せ始め、
今週は多少過ごしやすくなる模様。
 
バカンスシーズンは最盛の時期を迎え、
この週末は道路の混雑がピークと言っていた。
  35度といってもエアコンはないし
(といってもうちに、というだけでなく、外も。
ここ行けば涼めるな、という所がイマイチ思いつかない)、
扇風機で耐える。
↑は自分の家の扇風機。タワー型。
よく見るプロペラ型ももちろんあって、値段は一緒。
自分は単にスペース取らなそうという点でこっちに決めた。
ドイツに来て以来ずっと使っている。
「ずっと」なんて言っても、
一度も使わずに過ごせる夏もあったわけで、
かれこれ1ヶ月も稼動している今年はむしろ異常。
 
ただ、このタワー型の困ったところは、
分解できない、ないしは分解が複雑、というところ。
多分中に埃かゴミかが詰まって、
あるいはもうどこかが錆びて、音がおかしい。
でもどうせすぐに使わなくても済むくらいの気温になるだろう、
とか、そんな風に思いつつ新しいのは買わない。
10ユーロちょっとで買えるとしても、今更、というか、
そこら辺はプリンターとは違うというか。
なので変な音がし出したら叩いたり、
変な角度に傾けてみたりしつつ、
あと少しの時期を乗り切るつもりである。
 
ああ、そういえば、タワー型の不便な点はもう一つ。
上下の角度調整が出来ないこと。
上の方に風を送ろうと思ったら、
下に何か引いて高さを増してやらないといけない。

2010年7月12日月曜日

ワールドカップ全日程終了

ドイツはきっちり3位を確保。
大きく変わったメンバーはかなり実験色が強く、
ウルグアイの方が「狙っている」感はあったが、
それでも底力?かな。
ミュラー、ヤンゼン、ケディーラ、と
得点者はいずれもこの大会頑張っていた選手。
最後にご褒美というか、結果というか。
4年前の3位は出来過ぎの3位。
今回の3位はもう少し上がありえた3位。
この気持ちは2年後のユーロへの期待にしておこう。
 
スペインの優勝は順当。
スペインらしい試合は結局ドイツ戦の
1試合くらいだけだったが、
それでも今のスペインは強いので
文句なしの優勝というところだろう。
カシージャスの好セーブでプジョールと腕組み
(=レアル&バルサの連合)
なんて中々見れないシーンも見れたし。

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暑い。35度を越えたって話だ。
場所によっては40度いっていたが
メディアの独自温度計による独自調査なので
どこまできちんとしたものかは不明。
朝方に窓を開け放って室内の気温を下げた後でないと
パソコンを起動するのが躊躇われる。
これまでならその時間帯に窓を開ければ
はっきり体感できるほど気温が下がったものなのだけど、
今年はそうでもない。
湿度が高くてよく分からないor
そもそも気温があまり下がっていない、
のどちらか、あるいは両方かと思う。
普通これくらいの気温になれば
雷雨が来るものなのだけど、それも来ない。
 
予報によれば明日、今日の夜から雷雨も来て、
それによって気温も多少下がるとは言っているが。
その後また気温が上がるって話だし、
まだしばらくはこの感じが続くのかも。

2010年7月10日土曜日

近況報告とか

久しぶりの別タイトル。
 
まあ、もうサッカーの事で書くこともないので。
3決に回ったため日程が一日キツくなったとか、
レーブ監督がインフルエンザか何かで発熱して
寝込んでいるとか、色々あれど3位は取れるんじゃ
ないかと思っている。
相手のことはよく知らないのでこれくらい。
 
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さてと、先週くらいから、ベルリンというか、
ドイツ全土が暑い。
30度は当然越えてくるし、ほぼ35度くらい。
予報によると今週末はさらに暑くなるようで、
今日が37度、明日が38度って言っていた。
基本的にクーラーのない国なんだけどなあ。
その上、何か日本ばりの蒸し暑さ。
特徴であるはずのカラッとした夏はどこへやら。
 
自分の家に冷蔵庫がない。冷凍庫はもちろんない。
なので冷たいものは買いたてでないとない。
まあこれはいい事もあって、
というのも、この前久しぶりにアイスを食べた。
3年か4年ぶり。見事に腹をこわした。
 
食べ物も腐りそうなものから食べていく。
=平気そうなものは残る。
そんなわけで、現在机の上に
チョコやポテトチップやピスタチオ、
彼是1~2週間前、それなりにまだ暑くなかった頃に
封を切り、その後食べる気をなくしたっぽいやつがまだ。
ピスタチオはそろそろやばそうかな。
今日辺り食べておこう。
 
それ以外の話は項目を設けて書こう。

2010年7月8日木曜日

私的ドイツ代表の楽しみ方 part8: スペインに敗れる

スペインはここに来て今大会ここまでで一番いい出来だった。
ドイツは逆に一番悪い出来だった。
 
特に最初の15分はスペインの一方的なゲーム。
ドイツは怖がって思いっきり下がっていたし、
スペインは高い位置からプレッシャーをかけてくる。
ドイツはテンパっていたし、
自分たちを落ち着かせる時間も与えてはもらえなかった。
 
単位時間における攻撃回数の頻度を、
ドイツでは「テンポ」なんて言ったりする。
明らかにスペインのテンポはドイツが対応できる範囲を超えていた。
 
スペインはボールを取りに来るし、ボールを持つし、波状攻撃。
ドイツの方はと言えば、とりわけサイドバックの動きが
アルゼンチン戦とは対照的で、
自分たちのボールが相手に奪われる前提で
後ろへ後ろへ動いていた。
後ろへという点では、MF、FW陣もそうで、
プレーが常に後ろへとズレていた。
トラップした後で後ろへ一歩下がったり、
パスを受け手の後ろに出したり。
これではプレーが繋がっていかない。
 
ハーフタイムで解説のネッツァーも言っていたが、
前半は点を取られなかっただけ幸い、
これは=点を取られるのは時間の問題ということであって、
結果その通りになってしまった。
交代での攻撃の意志表示はあったものの、
スタメン、最初に採ってしまった試合への入り方は
最後まで影響し続けていた。
ドイツが点を入れたとしても運という形でだったろう。
 
はっきりした事は伝わってきてないので、
あくまで推測の域を出ないことだが、
試合前にちょっとあって、
この試合の入り方を間違えたらしい。
準備の段階で支障があったとか。
バラック、ラーム、シュバインシュタイガーの
キャプテンの座を巡る駆け引きめいた何やらが。
まあ、アルゼンチン戦にはメルケルとかもいたし。
何というか、上手くいっている時に
行き過ぎないようにとかいって歯止め・妨害・おせっかいを
かけてくる連中ってのはどこにでもいるわけで。
まあ、あくまで推測。推測。
 
ともあれ、スコアも内容も二年前の再現みたいな感じに。
これは今回はもう少しどうにか出来たように思うので、
結構残念。
3位決定戦は勝てるだろうと思うが、
これでまた3位。
せめて前回より一個上に行きたかった。

2010年7月6日火曜日

私的ドイツ代表の楽しみ方 part7: スペイン戦の展望

マラドーナがインタビューで言っていた。
ドイツとの試合で何が足りなかったのか、
という質問の答えに「創造性」だったそうだ。
だとしたら足りなかったのはやはり監督の脳ミ‥。
いや、さておき。
 
スペインもまた、今大会のここまでを
選手の創造性によって勝ち進んできている。
それがスペインが苦労している理由、
点が取れない理由である。
2年前、史上最強と言われていた頃は、
そんな個人の創造性に頼るようなチームではなかったし、
このチームを象徴する2人の選手、シャビ&イニエスタも
彼らの創造性(例えば一瞬のひらめき、ゴールに直結するような
シュートやパス、一人で試合を決めることのできるプレー等々)
によって評価されているのではない。
この2人において素晴らしいのは、
何よりシステム内での働き(例えばパスミスをしない、
トラップミスをしない、ボールを失わない、
最善手を見つけ出せる、無駄にもたつかない等々)であって、
スーパープレイという意味での個人の力の天才ではなく、
円滑な組織力を生む起点となるという意味での天才である。
 
2年前と何が変わってしまったのかは自分には分からない。
だが明からなのは、チームの組織は大して機能している
わけではないということで、その当時最も強みを持っていた
部分が今は鳴りをひそめてしまっている。
 
従って、2年前は手も足も出せなかった、
というか出さない戦いをせざるを得なかったドイツに
チャンスはあるようになったわけである。
 
ドイツの内情から言えば、
これまで活躍してきたミュラーがイエロー累積で出場停止になる。
代わりはカカウだろうか、クロースかもしれない。
ポドルスキーは1回のアシスト以外はやはりアレだったし、
エジルもまだ本調子ではない。
そうでなくとも個の力はスペインが上だろう。
 
お互いに組織的なチーム作りをしているが、
逆に組織的なチーム作りをしているチームを
相手にした時はどうだったか。
予選リーグの段階で、ドイツがセルビアに負けたように、
スペインも同じく欧州中堅のスイスに負けている。
スコアも0-1で同じ。
 
そんなことを考えてみると、
スペインが今大会のこれまでのような試合を
結局のところしてくれれば、ドイツが3-1くらいで勝ちそうである。
逆にスペインがドイツを相手にすることによって
2年前の自分たちのプレーを思い出してしまったら、
4-1くらいでスペインが勝つのではないか、と思う。
 
前にも書いた様に、
今大会のドイツに守り勝ちは出来ない以上、
どういうサッカーをしてくるか予想のつく分、
対処としてはスペインの方が有利であろうし、
打ち合いの展開になってもスペインに分があると言える。
ドイツとしては、アルゼンチン戦同様、
序盤から積極的にいって
流れを自分たちの方に引き寄せたいところだろう。
2点目を先に取った方が勝つ、と見る。

2010年7月4日日曜日

私的ドイツ代表の楽しみ方 part6: アルゼンチンに勝つ

アルゼンチンに完勝。
 
前に書いた様に、ポイントなるのは
レーブが守ってくるのか、攻めの姿勢を貫くか、であった。
 
蓋を開けてみたら驚いたことに、
これまでの4試合以上に積極的な攻めを展開した。
ラーム&ボアテングの両サイドバックは
どんどん攻撃参加してきたし、
シュバインシュタイガー&ケディーラのボランチも
前の方で目立っていた。
挙句、センターバックであるフリードリッヒにゴールが生まれたり。
代表初ゴールがこんな大事な場面。
 
アルゼンチン側からすれば、常に後手後手に回っていた。
前半は後ろからの押し上げが弱く、
攻撃と守備の選手の間が分断されていた。
ドイツの両サイドバック裏のスペースとかは
使えそうなものだが、そういう意図を持った動きも
見られることはなかった。
こういったことは試合が始まればすぐに分かることで、
監督は直ちに修正していかねばならないことでもある。
マラドーナは常にピッチサイドに立って、
何か言ってもいたのだが、
何の指示でもなかったのでは、と思わざるをえない。
 
マラドーナにはドイツが一番恐れていたメッシのドリブルを
生かすという考えも欠落していたようで、
メッシが唯一「華麗」といえるドリブルを披露したのは
自陣奥という有様だった。
 
遅まきながらとはいえ、
後半から上のアルゼンチンの「分断」は修正された。
ドイツ側からすると、それとともにプレッシャーが激しくなって、
ここがドイツにとって一番キツい時間帯だった。
だが、アルゼンチンは最終的な決定打を欠き、
逆にドイツはこの時間帯を自分たちで追加点を上げる
という最高の形で乗り切る。
 
大選手が監督をやるとどうしても起きがちなことは、
自分がかつて個人の力で状況を打開したようなプレーを
選手に対しても「期待」してしまうことである。
それでちょっと良い方向にプレーが行く兆しが見えると、
ついその調子で次こそは、と考えてしまうのだろう。
アルゼンチンくらい上手い選手が揃っていると、
この考えは益々ドツボにはまっていく。
自分から言わせて貰えば、後半開始時に、
あるいは遅くとも後半開始とともにドイツの側が
何もいじっていないのを確認した段階で、
攻撃的な選手を入れるか、
メッシにFWの仕事に専念させる布陣にチームをシフトさせるか
しなければならない。それが普通。
動いてきたのが2点目を入れられてから、
これでは全く遅い。
時間もその時には既に後半25分も過ぎていて、
つまり半分以上の時間を無駄にした。
さらに、その後投入されたアグエロに与えられた時間は15分。
明らかにせいぜい1点しか計算できない。
 
逆にドイツ側。
アルゼンチンがより攻撃的にくることは分かる、
首尾よく2点目も入った。
時間的にも守って勝ち抜ける。
だが、ここからがポイント。
そこでレーブの採った作戦は、
さらに攻撃する、というものであった。
「中央に入ればさらに強い」と言われた守備を見せていた
ボアテングに代えて、ヤンゼン。
サイド「バック」をサイド「アタッカー」に代えた。
そして追加点。
さらにこちらも守備でも力強さで目立っていたケディーラに代え、
クロース。前に言った完全に攻撃的MFの選手である。
完全に狙いは「完勝すること」であった。
そしてまた追加点。
 
アルゼンチンは攻めてもロング/ミドルシュートばかり。
前に、ドイツではキーパーのポジショニングミスで
クラブを解雇されうるという話をした。
実際解雇した人間がいて、マガトという監督である。
現ドイツ代表GKノイアーが所属するシャルケの監督である。
ノイアーが普段置かれている環境とはそういう環境。
彼からポジショニングミスは最も期待できない。
ロングシュートやミドルシュートは
彼から最も点を奪い辛い攻撃方法と言える。
だが、アルゼンチンはこれを前半から繰り返し、
これは後半になっても修正されず、
試合が終わるまで直らなかった。
ノイアーは何度正面でボールをキャッチできたことか。
ここにはアルゼンチン側の相手の研究不足が指摘できる。
 
さらに今回の試合前話題になったいわゆる「舌戦」。
自分は一々全部追っていないが、
ドイツ代表には優秀なメンタルメディカルスタッフ
(あるいはメンタル管理の方法)が存在していることは
06年の段階で既によく知られた話。
前半の様子からして、
これをやって明らかに損したのはアルゼンチン。
まあ、マラドーナがアルゼンチンの監督に就任したのは
一説では金持ちの道楽らしいし、
さすがに彼に任せるわけにはいかないから、
コーチにはそれなりの人材を起用していたはずで、
全部マラドーナの責任というわけではなかろうが、
どうにも調子こいたマラドーナの自滅感がぬぐえない。
対してレーブの計算の方は、この試合、
ほとんど狂わされることはなかったと言っていい。
監督の差、である。

2010年7月3日土曜日

私的ドイツ代表の楽しみ方 part5: FW

現在のドイツ代表の1トップはクローゼ。
カカウがかなり違ったタイプである以外、
ゴメスもキースリングもセンターフォワード型と
言っていいプレーヤーである。
 
レーブはクローゼに対する信頼が厚いので
スタメン当確として、
クローゼの特徴というと、これが中々難しい。
02年日韓の時は全ゴールがヘディングだったので、
高いというイメージが先行しているかもしれないが、
ゴメスやキースリングの方が上背はある。
足元の技術やスピードもあるし、
それなりにドリブルも出来たりするのだが、
特徴というほどでもないような気がする。
テクニックならキースリングの方がありそうで、
FWとしての全体的な能力、特にパワーに関しては
ゴメスの方が上だろう。
ただ、ゴメスもキースリングも代表ではイマイチフィットしていない。
キースリングに関してはそもそも出場機会が少ないのもある。
フィットしない→使われない→フィットしない、の流れに
なっているように思う。
他方クローゼは使われる→フィットする→使われる、
の流れであろう。
どの力も平均的、というと正確ではないな、
バランスよく持っていて、安定しているので
クローゼを起用といったところかな。
 
クローゼがレッドカード貰って出場停止になっていた時、
代わりにスタメンだったのがカカウ。
彼は上の3人とは違ったいわゆる「飛び込み型」フォワード。
速くて、ドリブルも出来て、動いて稼ぐタイプで、
それゆえの守備的貢献も+αで付いてくる。
ただ1トップ・センターフォワードを務めるには
いささか心もとない気がするので、
出るとしたら、MFを一枚削って
彼を入れて2トップにするとか、
そういう場面でかな、と。
 
こんな風に局面局面に合わせて試合運び出来る様、
色々なタイプのFWを揃えたといった人選。
これも自分はレーブらしいところだと思う。

2010年7月2日金曜日

私的ドイツ代表の楽しみ方 part4: 攻撃的MF

攻撃的MFは
左にポドルスキー、中央エジル、右にミュラー。
ただしポドルスキーもミュラーもそもそもはFWの選手で、
代表チーム内での動きも、中盤を構成してチャンスメイク
というよりはFWの動きをしているので、
限りなく3トップに近い1トップみたいなものかと。
 
まずポドルスキー。‥ポドルスキー(笑。
いや、何と言うか、ピリッとしない選手である。
相手が弱かったり、チームが楽勝ムードに
あるときほどプレーが強気になり
(得点にしろ、審判に見えない所での肘入れ(笑)にしろ‥)、
相手が強い、格上と見るや
ミス、というか手も足も出ない、的プレーを連発、
というのはどうしたものか。
多分メンタル的なものなんだろう。
かつては「王子様」とかいうあだ名もあったが、
どう考えても小国か田舎の王子的な感がぬぐえない。
チーム内で居場所がないのにバイエルンで数シーズン
過ごした後、ケルンに戻った昨(今)シーズンは
2ゴールも上げた(笑。
それでもその内の1ゴールはバイエルンからのものであるとか、
この前のイングランド戦では落ち着いてゴールしていたとか、
それなりに成長は見られ‥るのかも?
この際セルビア戦のPKを含めたはずし具合は目をつぶるか‥。
あれはだって、そんな大事な場面でポドルスキーに
蹴らせるのが‥。シュバインシュタイガー蹴れよ‥。
まあ、文面にするとどうも悪し様になってしまうが、
代表のチームにフィットしていることは確か。
ただ06の時はヘルメス、
今年はクロースの方を使って欲しいかな、個人的には。
 
エジル。
この2010年W杯はエジルの大会として記憶される、
少なくともドイツにとっては、と期待された/ている選手。
今のところはガーナ戦のスーパーゴール、
イングランド戦のカウンターくらいしか目立った活躍がないが、
前者はシーズン中のエジルにとっては
朝飯前程度のものでしかない。
後者は彼がスピードも持った選手であることを示したが、
彼の何よりの長所は高い技術であり、
ボールを失わないところであり、
最善の「解決」を見つけていくところであり、
と、若干21歳にしてすでにトップ下の選手として
必要なものは全て備えた選手。
ジダン型とも言えるかもしれない。
 
そしてミュラー。
イングランド戦を見た人なら、もう彼が並みならぬ選手であると
分かっただろう。こちらは20歳。
バイエルンでクローゼやゴメスを差し置いて
レギュラーを奪った男である。
DFがちょっとでも時間を与えると、
ペナルティエリア付近くらいの距離なら
どんどん点を入れてくるという
驚くべきシュートの正確性を持つ選手。
若いのにパワーもあって競り合いにも強い。
さらに相手DFとの駆け引きや、
動き出しも非常に上手い選手で、
縦横(&斜め)無尽に走っては
相手の死角に入り、死角から出、
ということをやってくる。
それによって自分が攻めるのはもちろん、
周囲の選手のためのスペース作りにも貢献している。
クレバーなプレーをする選手。
今のドイツ代表で、というかドイツサッカー全体で見ても、
見ていて一番面白い選手。
ちなみに彼のインタビューはいつも面白い
(こちらはひょうきんという意味で)。
この前のイングランド戦後のインタビューでは、
公共の電波を家族へのビデオレターにして
解説・司会アナを笑わせていた。
勝てばまた何か面白いことを言ってくれるだろう。
 
おまけでトニ・クロース。
次のアルゼンチン戦、まずスタメンではないだろうし、
交代でも出してもらえるかは分からない。
でも書いておく。
MFがまさに天職といった選手で、
やはりその正確で高いキックの技術はパスして良し、
シュートして良し。特にシュートレンジの広さには
いつも驚かされるばかり。
現在20歳でミュラー同様のバイエルンユース出身。
バイエルンユースが最近高スペックな選手を量産しているのだが、
一体どんな練習しているのだろう。
エジル、ミュラー、クロース、この3人は次、あるいは
その次の大会まで余裕で出てきそうだし、
彼らが年齢的にも本当に中心になった頃には
ドイツ代表の黄金期が来る(、多分)ので、
覚えておいて損はないだろう。

2010年7月1日木曜日

私的ドイツ代表の楽しみ方 part3: 守備的MF

いわゆるボランチ。
左にシュバインシュタイガー、
右にケディーラ。
 
シュバインシュタイガーの方は代表歴も長く、
よく知られた選手かと。
ドイツ代表にはバイエルンからの選手が多く、
彼らは「バイエルン・ブロック」と呼ばれたりする。
その中でも個人的には好きな選手である。
最近はクラブでも代表でもボランチをやるが、
そもそも攻撃的MFだったし、
キックの技術の高さは変わらず。
中盤構成の力を身に付け(あるいは磨き)、
ひょっとしたら新キャプテンはこの人かとも思っていたが、
まあ、それはそれ。
 
ケディーラの方はというと、
その前キャプテンである怪我をしたバラックの代わりとして
抜擢された選手。
正直言って普段のプレーは知らないが、
代表での様子を見ていると、バラックよりも上がるわ上がるわ。
ペナルティエリアの付近および内部、
それも相手ゴールの方で目立っている。
もう少しシュートが決まると、
本人としてもチームとしても万々歳ってとこかな。
というわけで、こちらもシュバインシュタイガー同様、
攻撃型のボランチである。
 
ドイツ代表にはこの大会が始まる前多くの怪我人が出たのだが、
その中で最も痛手と言われたのがもちろんバラック。
バラックは確かに現在ドイツで一番のプレイヤーであろう。
そのことは前置きした上で、あえて言わせてもらうなら、
自分はバラックがいないことは実はそれほど大きな問題では
ないと思ったし、今もそう思っている。
というのも、最近のドイツ代表の試合では、
バラックはボランチで起用されていたのだが、
彼はやはり攻撃的MF、あるいはタイプとしては
それより前のそれこそFWという選手で、
そこでこそ相手にとって恐さを発揮すると思うから。
だが今のドイツにはFWは専門でいい選手が揃っているし、
攻撃的MFの中央、いわゆるトップ下にはエジルがいる。
そんなわけで、バラック不在の影響は
むしろメンタル面かな、と。
ドイツのサッカーではボランチもキーパー並みに
重視される(=色々注文が多い(笑))ポジションである。
ここの人材はそれなりにいるはずなので。
 
興味深いのは、昨日の話との兼ね合いで言うと、
(おそらくは唯一の)不安材料がDFであるにもかかわらず、
ボランチ2枚が両方攻撃重視で構成されていること。
この辺りにレーブの考え方がよく出ていると
自分なんかは思う。
そしてまた逆に、そんな構成だからこそ、
守り勝つなんてことはそもそもできないはず。
アルゼンチン戦はこの辺りがキーになりそうである。
 オシムなら「コンプレックス」と呼ぶ事象が、
ドイツにもやはり幾分かある。
ドイツ代表もまた強い相手との試合の経験が少ない。
だが、日本のマスコミがそう信じさせたがっているような、
「『本当は相手はそこまで強くない/自分たちは
自分たちが思っているより強い』、と信じること」
が問題なのではなく、
相手のレベルいかんに関わらず自分たちのサッカーが
同じように出来るか、それが問題なのだから。